問題147 更生保護制度の概要に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 更生保護は,社会の保護を目的とすることから,社会福祉とは方法は異なっても対象とする者は全く同じである。
2 更生保護の対象者のうち18歳未満の者は,児童福祉法が規定する児童に該当するから,基本的には児童相談所が主務庁となる。
3 更生保護とは,心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者に対し,その病状の改善及びこれに伴う同様の行為の再発の防止を図ることである。
4 更生保護は,刑事司法の一翼を担うが,脱施設化の社会的趨(すう)勢の中で,地方公共団体が行う法定受託事務とされている。
5 更生保護は,犯罪をした者及び非行のある少年が,再び犯罪をすることを防ぎ又はその非行をなくし,善良な社会の一員として自立し,改善更生することを助けるものである。
問題148 更生保護法にいう生活環境の調整に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 生活環境の調整は,本人の改善更生の度合いに応じて行われ,実効性を高めるために,本人の現状を最も把握している矯正施設職員によって行われる。
2 生活環境の調整は,必然的に対象とする者の家族等への介入を伴うので,不当な権力の行使を防止するために,裁判所の発する令状をもって着手される。
3 生活環境の調整は,対象者の釈放後の住居・就業先の確保等を中心に行われる。
4 保護観察所の長は,生活環境の調整を行うに当たり,本人に関する個人情報の秘密保持をいかなる場合においても最優先することが要請される。
5 保護観察所の長には,重大な刑事事件については刑の決定前に,裁判所に対し生活環境調整結果報告書の提出が求められており,その報告書は判決の内容に反映される。
問題149 事例を読んで,保護観察官が行った更生緊急保護の措置に関する次の記述のうち,最も適切なものを一つ選びなさい。
〔事例〕
Pさん(34歳,男性,未婚)は,傷害事件により懲役1年執行猶予3年保護観察付きの刑の言渡しを受けたが,住所不定であり,所持金も2千円しかないとして,刑確定前に保護観察所に保護を求めてきた。Pさんには幼少時に被虐待体験があり,家族とは長期間疎遠で,就労技能もなく,過去に頻繁に転職してきた。
1 被虐待体験が精神的外傷となり犯罪の遠因になっていると判断し,今後しばらくの間,定期的にPさんにカウンセリングを行うことにした。
2 Pさんに就労につながる技能や資格がないことが社会適応を難しくしていると判断し,自治体が行っている職業訓練講座の受講を勧めた。
3 長らく家族と音信不通になっているPさんにとっては,生活の再建には家族との再統合が不可欠と考え,家族関係の調整をすることにした。
4 居住場所を確保する必要があると考え,Pさんを更生保護施設に入所できるようにした。
5 生活保護を受給させて早急に生活の安定を図る必要があると考え,Pさんの住民登録がなされているZ市の福祉事務所を紹介した。
問題150 医療観察制度における社会復帰調整官に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 対象者が指定入院医療機関に入院中には退院後の生活環境の調整に当たり,退院後には精神保健観察を実施する。
2 指定入院医療機関の医療サービスの確保,社会復帰施設への入所及び精神保健福祉サービスによる支援の3点を柱に,対象者が地域社会で健全な生活が送れるように支える。
3 地域の連携の中心となる役割のほか,訪問や面接などの直接的なかかわりを行い,医療や地域生活での相談支援は行うが,対象者の病状の悪化時の対応は行わない。
4 任用資格は,更生保護法によって精神保健福祉士や看護師等とされている。
5 地方裁判所で行われる当初審判の段階から関与する立場にはないが,処遇のコーディネーター役を果たすことが求められる。